子供の晩年 / 馬野ミキ を読んで



馬野ミキさんの詩集
『子供の晩年』文庫版を読んだ。
電子書籍も持っているので
計3回は読んだろうか。

ミキさんを知ったのは一昨年おれが高知に帰り、数年ぶりに詩を書きはじめたころ
蛇口さん・ミキさんの共同ブログ
『詩と惑星』を偶然知り、途端にミキさんの文章にしびれ
夜勤のバイト後の朝方
よく読み漁っていた。
こういうことを言うのはおこがましいかもしれないが、
ミキさんの言葉のなかには
「あっ、そういうことおれも言いたかったんだよなあー!」と感じることが多々あり、ちょっと悔しくもある。
心に抱えてたモヤモヤが、
ミキさん独特の言い回しで生まれる
その言葉たちは夜泣きもするので
たまにしんどくもあるが、たしかにこれから育てていく価値がある言葉なのだなあ、と励まされる。

ミキさんの詩は、教科書に載っているスタンダードな詩とは一線を画す
いやむしろ、スタンダードな詩の根底にある土壌のような詩だと思う。
誤字脱字もたまにある
それがめっちゃいい
たいてい誤字脱字というのは読み手の足をとめるマイナスな面が大きい
集中が途切れる あれっ?てなる
だがミキさんの言葉の足どりはそれを苦にしない 誤字脱字が
「靴ヒモがほどける」
ようなものだとしたら、
「いいじゃん、行こうぜ」と
ミキさんの言葉が手を引いてくれる
そして急に視界が開け、やってくる

海のような余白

優しさが垣間見える
そこで靴ヒモを結べばいいものを
結局は、見惚れてしまう
波に

これをミキさんが意図的にやっているのかは分からないが(意図的だとすればもはや誤字脱字ではないが)、
人生の歩み方まで内包されたやばい
詩集だとおれは勝手に受けとっているのだだ!
以上 もり的な読後感想文でした!

詩集中、個人的なおすすめは
『アルタ前の無』
『マザー泣き』





蛇口さん・ミキさんのブログ


                            もり                             


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コメント: 2
  • #1

    馬野ミキ (金曜日, 18 3月 2016 00:59)

    もりくん

    レスポンスをありがとう。
    誤字脱字は意図していないけれど、見つけても直さないことは多々有ります。
    人間が200文字とか300文字かけばそこに一文字くらい誤字や脱字かあるのは自然なのかなとも思います。
    また、きれいに額縁にしまわれてしまう美術品みたいなものに、なりたくはないという抵抗もあるかもしれません。

    >>たしかにこれから育てていく価値がある言葉なのだなあ、と励まされる。

    というところが一番うれしいです。ありがとう。


  • #2

    もり (金曜日, 18 3月 2016 01:22)

    ミキさん、コメントありがとうございます。
    今まで色々と感じたことを改めて書いてみたら、すっきりしてます。
    これからも楽しみです。